case8奥歯の欠損に対する
インプラント治療

治療前後の写真

奥歯に対してインプラント(1本)を行った症例です。
下記の症例写真は、側面から見たものと上側から見たものになります。

治療前(側面)
治療前
治療後(側面)
治療後
治療前(上側)
治療前
治療後(上側)
治療後

パノラマ写真での比較すると、インプラントが上顎に入っているのがよく分かるかと思います。

治療前
パノラマ写真治療前
治療後
パノラマ写真治療後

お悩み

奥歯が割れて膿みと痛みがあるので、抜歯したうえでインプラントにしたい」と来院。歯根破折に伴う圧痛と咀嚼障害を早期に解消し、しっかり噛める機能と自然な見た目の回復を強く希望されていました。
※上の治療前の画像はすでに抜歯した後です。

診査・診断

検査の結果、割れた奥歯は根まで縦に亀裂が入り膿がたまっていました。レントゲンとCTで確認した結果、支えとなる骨が一部吸収していたものの、神経との距離は十分にあり、骨を少し補えばインプラントを安全に入れられると判断しました。
欠損の影響で噛み合わせが反対側に偏っていたため、早期に咬合を回復する必要があると診断。また、全身状態や歯茎の炎症もコントロール可能で、治療に支障はないと評価しています。

抜歯後に放置すると起こり得た問題

欠損部を放置すると、局所の感染拡大だけでなく口腔全体のバランスが崩れます。代表的なリスクを解説します。

欠損を放置した場合 想定されるリスク さらに深刻化すると
咬合力の偏り 反対側の歯に過度な負担が集中し、咬耗や知覚過敏を招く 顎関節に負荷がかかり、開口時の痛み・クリック音など顎関節症状が現れる
隣在歯の移動・傾斜 欠損部へ歯が倒れ込み、対合歯が挺出する(歯が本来の位置から伸びてしまう現象) 歯列不正による清掃困難で、虫歯・歯周病リスクが飛躍的に上昇
顎骨の吸収
(骨量減少)
歯がなくなった部位は刺激を失い、半年で約25%骨高が減少 後の治療で大規模骨造成が必須になり、外科負担と費用が増大
見た目・発音への影響 ブラックスペースができ、笑顔が老けて見える 空気漏れや舌運動の乱れで「サ行」「タ行」の発音が不明瞭になる
咀嚼効率の低下 硬い物を避ける食習慣で栄養が偏りやすい 消化不良や片側咀嚼による顔貌の左右非対称(咬筋肥大・エラ張り)を招く

治療について

本治療について

本治療の流れ

  1. 抜歯+骨を足す処置(リッジプリザベーション)破折歯を低侵襲で抜歯後、歯を支える骨が減っている所に人工の骨の粉と自家骨をブレンドした補填剤を入れ、薄い膜(吸収性コラーゲンメンブレン)でフタをします。
    抜歯と同時に骨を作るので、あとでインプラントを入れるスペースを確保でき、手術の回数と総期間を短縮することができます。
  2. 治癒を待つ期間(約6か月)骨がしっかり固まる(治癒する)まで半年ほど待ちます。
    骨が固まるのを待つことで、インプラントが安定しやすくなります。仮歯があるので日常生活も安心です。
  3. インプラントを入れるCT画像をもとに作った “サージカルガイド” を使い、正確な位置と深さにチタン製のネジ(インプラント)を1本埋め込みます。
    サージカルガイドを使うことで神経や血管を避け、安全でズレのない手術ができます。
  4. 被せ物(セラミッククラウン)を付けるお口の中をスキャンして型取りし、白くて丈夫なジルコニアを使ったインプラント上部構造を装着します。
    周りの歯の色に合わせて自然な見た目に仕上がり、金属アレルギーの心配もありません。
  5. メインテナンス3〜6か月ごとに専門のクリーニングと噛み合わせチェックを行い、インプラントの周りに炎症が起きていないか確認します。
    定期的なお手入れでインプラントと周囲の歯ぐきを健康に保ち、長持ちさせることができます。

より詳細なインプラント治療の流れについてや、インプラント治療のメリット・デメリットは下記のページからご覧いただけます。

治療の概要

治療時期 2025年1月
主訴 奥歯が割れて膿んでいるので抜歯してインプラントにしたい
治療期間 8ヶ月
治療費 インプラント(奥歯) 1本
495,000円(税込)
リッジプリザベーション
55,000円(税込)
リスク セラミックの破折、
色調の再現に限界があります。

担当医師の所感

抜歯後にリッジプリザベーションで十分な骨量を確保し、大規模骨造成を避けて患者様の負担を最小限に抑えました。インプラントは良好な初期固定を得て治癒も順調です。咬合バランスを整えた結果、“噛むストレスがなくなり食事が楽しい”と喜んでいただけました。
今後も定期検診で長期安定をサポートしてまいります。

セカンドオピニオンも対応中

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